ゴム型製作について
ゴム型とは
1個しかない製品を複製する場合に、シリコン製のゴム型を作製します。
ゴム型にインジェクションWAXを流すと、原型と同じ形のWAXが出てきますので、任意の数を出し、ロストワックス製法で鋳造していきます。
ゴムが硬化する際ゴム型自体が少し収縮するのと、その後の鋳造でも収縮するので、出来上がりは原型よりも5~10%収縮します。
湯口を付ける場所に指定がある場合は備考欄に「湯口指定あり」と記入し、製品に油性ペンで丸印を付けて下さい。
地金の流れの問題で、ご希望の位置とは違う箇所に付けたり複数の湯口を付ける事があります。
焼きゴム
金属原型からの複製は基本的にこのゴムを使用します。
熱と圧力を加えるためゴム自体が少し収縮しますが、耐久性があり、コストを抑えられます。
VLTゴム
3D造型樹脂の原型を型取りするためのゴムです。
焼きゴムより硬化温度が低いですが、圧力はかかります。焼きゴムと同じ価格です。
液体ゴム
液状シリコンで、2日ほどかけて常温硬化させます。
ゴム自体の収縮はほとんどなく(※)圧力をかけないので、ワックス原型の型取りも可能です。耐久性はやや低めです。
※鋳造により最終的には収縮します
焼ゴム・液ゴムどちらもシリコンです。
「シリコンゴムで」というご指示ですと、大抵の場合焼ゴムでの作製になります。液ゴムをご希望の場合は「液ゴムで」とご指示ください。
原型のサイズと対応するゴム型・料金
型取りする際、周囲に余白が必要です。湯道の分も考慮してゴム型を選択いたしますので、点線の中に収まるサイズでご検討ください。
メスの入れ方や湯口の付け方によって、ご希望のサイズよりも大きいゴム型になる事があります。予めご了承ください。
焼きゴムはアルミ枠のサイズに依存しますが、液ゴムは自由なサイズで作製することが可能です。図のサイズよりも大きい型を作製したい場合は液ゴムでの作製となります。
原材料の高騰により、2024年8月からゴム型を値上げさせていただきます。
ゴム型が作れない形
ゴムを詰めると、空洞の中にもゴムが入っていきます。
ゴムの硬化後、メスを入れてゴムから原型を取り出そうとした際に入口でゴムが千切れ、空洞の中に詰まってしまいます。
こうなってしまうと詰まったゴムを取り除くことが出来ません。
もしこのゴム型をそのまま使用すると、塊状の原型を型取りしたのと同じことになります。
どうすれば型取りが可能になるか?
(1)入口をふさいで塊状にする
原型が軽くても、吹き上がるキャスト品は中が詰まった状態なので重くなります(キャスト代が高価になります)
(2)断面が広くなるようにカットする
空洞と同じか、それよりも大きくしてください